結婚相手紹介サービス業・マル適マークとは?
結婚相談所や結婚情報サービスにマル適マーク(認証制度)の導入が正式に決まりました。
結婚相手紹介サービス業への認証制度については、平成17年に、経済産業省において設立された「少子化時代の結婚産業の在り方に関する研究会」で、サービスの信頼性や質の確保のための認証制度も含めた検討の必要性が提言され、平成20年7月に、「サービス産業生産性協議会」により、認証の基準となるガイドラインが策定されました。
このガイドラインに基づき、有識者や学識経験者から構成される公正・中立的な第三者機関である特定非営利活動法人
日本ライフデザインカウンセラー協会(NPO法人JLCA)が9月1日より申請を受け付け、年内にも第1回目の認証がなされようとしています。
出会い系と区別するために法律上は「結婚相手紹介サービス」と位置づけられています。
その背景には、消費者センターへの苦情の多さと、料金が高額であるということがあります。
元々の発端は政府の少子化対策から派生して、結婚したくてもなかなか異性と知り合う機会の少ない人にそのチャンスをいかにして増やすか? ここから議論が始まっているのです。
そこで、独身男女が安心して結婚相談所や結婚情報サービスを利用できる仕組みを考える必要があったわけです。
この認証基準は特定商取引法はもちろん、個人情報保護法等の法律、さらにそこに自主基準を加えたハードルの高い審査基準となっています。 これはあくまで善意の消費者を守るためです。
結婚相談所の中には異を唱えるところもあります。
その理由としては
@認証に関わる費用が高い。
ボランティア的にやっているのでそんなに儲からないからお金がない。
成功報酬だからそんなに儲からない仕事だ。
Aとれない結婚相談所がたくさんある。みんながとらないと意味がない。
というようなことです。
しかし考えてみると、上記の理由は結婚相談所を営む人にとっての理屈です。
この制度は、あくまで消費者の立場に立って決められたことです。
@の料金に関して言えば、
安いに越したことはありませんが、制度の維持のためにはやむを得ないのではないでしょうか。
一生懸命に会員さんのお世話をして成婚になれば、その成婚料で十分賄えるだけの成婚料を各結婚相談所はお取りになっているのではないでしょうか、、、
お見合いも、成婚料も成功報酬だから儲からない?っていうのは、ちょっと???ですね。
まさか、「そんなにお見合いも、成婚もしていない。」というわけではないですよね。
もしそうだとしたら、むしろそのことの方が問題だと思いますが、、、
各連盟の加盟店募集広告を見ると、高収入を謳い数十万〜100万以上の加盟金をお取りになっているようですが、、、?
3年ごとの更新ですが、3年間で掛かる費用を36ヶ月で割ると、1ヶ月あたり1軒12,775円の負担額です。
国からの補助金等は出ませんので、運営を認証費用でまかなわざるを得ない以上、相応の負担はやむを得ないのではないと考えます。
登録している会員さんから見たら、「TOTALしたら自分の方がもっと多く払っている。」という方も多いのではないでしょうか、、、
私共、全国仲人連合会は他と比較すると良心的な低い料金設定ですが、前向きに取り組んでいます。
それでも3年間で1名か2名入会者が増えて、その方が1人でも成婚すれば、ほぼ賄えるのではないでしょうか?
エステのマル適マークと比較すると費用が高いと言う人もいますが、私の調べたところではエステの場合、業界団体が一つにまとまっており、そこが人員だけでなく資金面においても全面的にバックアップしているようです。
残念ながら、結婚相手紹介サービス業界はまとまった業界団体がないため認証に関わる費用がエステより高くなるのはいたし方ないことと思います。
逆にそれがないからこそ、第3者機関としての独立性、公平性が保てるとも言えます。
この制度に反対している人の中には「審査機関がこの制度を利用してもうけようとしている。だから費用が高いんだ。」という勘繰りをする向きもありますが、会議の中で試算表が提出され、その内容に関して審議を経ており、また審査機関はNPO法人ですので、決算は公開されますので、反対せんがための中傷としか思えません。
Aのとれない相談所がたくさんある。 ということですが、
誰でもがとれるのもおかしな話です。
もちろん認証基準をクリアすれば、誰でもとれるわけですから、基準をクリアできないところが反対しているように思えてなりません。
最近、結婚していた女性が結婚相談所を利用して結婚詐欺を働いた事件がありましたが、受け入れる結婚相談所がちゃんと独身である証明をとっていれば起こり得ない事件です。
また、昨年2月には、結婚相談所が中国女性と日本人男性との偽装結婚を仲介していたとして、その相談所の社長始め5人が逮捕されています。(関連記事)
そいうことがあると、結婚相談所に対するイメージはますます悪くなってしまい、結婚しようとする男女が結婚相談所の門を、怖くてなかなか叩けなくなってしまいます。
一方で、マル適マークをとらないとこの仕事ができないわけではありません。
本当にボランイティアでやっている方は、その方の地域でのご自身の信用や紹介者の信用でやっているわけですから、この制度に参加しなくても問題ないように思います。
あくまで「消費者が頼める知り合いもなく、どこに頼んでいいかわからないときの参考にして下さい。」というのがこの制度の主旨です。
うちでも知り合いの紹介でいらっしゃる方は、最初から信用してくれていますから、その方には関係ないことです。
当会のある支部長いわく、、、
「うちの会はちゃんとやっているし、私も研修を受けて勉強してちゃんとやっています。だからとる必要がないんではないですか!?」
確かに、、、そういう理屈もある程度は理解はできます。
しかし、どの結婚相談所も「うちはちゃんとやっています。」と言います。
ホームページを見ただけでは、どこもいいことばかり書いていますから、判断ができません。
似たような名前の結婚相談所がたくさんあって、消費者には区別がつきません。みんな同じに見えてしまいます。
消費者は何を基準に選べばいいのか?
だからこの制度ができたのです。
この結婚相手紹介サービス業・認証制度(マル適マーク)が浸透すれば、消費者に安心して利用してもらえる目安になり、もっと結婚相談所を活用していただけるようになるのではないでしょうか、、、
また、うさん臭さがつきまとうこの業界のイメージを払拭し、健全性、信頼性を向上させるためには大変プラスになることと期待しています。
消費者利益=業界の発展 だと思いますが、、、
マル適マークの認証基準は以下の3つの考えが柱となっています。
(1)個人情報保護法の遵守
(2)特定商取引法の遵守(結婚相談業は特定商取引法の指定業種です。)
(3)基本的人権の尊重
消費者保護のために特に必要と思われる項目については、上記法令よりもさらに高い基準を設けています。
ただ、認証基準は個々の紹介システム、サービスの質・成果には関知していません。
従って、マル適マーク=消費者満足度が高い(出会い、成婚が多い等)ということではありません。
しかし、この認証基準(法令遵守、消費者保護)をクリアしたことを第三者機関が審査し、マル適マーク(CMSマーク)を取得することができた結婚相談所は、消費者が安心して利用できる健全なサービスを行なっている結婚相談所だということがいえるわけです。
マル適マークを「取得する」or「取得しない」は各事業者の任意ですので、取得しないからといって基準をクリアできていないとも言えませんが、取得しているところは間違いなくクリアしているわけです。
取得していない結婚相談所をすべて否定しているわけではありません。
マル適マークの審査機関である日本ライフデザインカウンセラー協会のHPには、いままでの議事録等が公開されています。
※一部の業界の団体が自分達で新たな認証機関を作ろうとしています。
それに関しては マル適マークに第2の認証機関?
特定非営利活動法人 日本ライフデザインカウンセラー協会
マル適マーク導入に至る経緯(私がまとめたものです。)
[関連資料]
マル適マーク 結婚相手紹介サービス業界が良くなる?! 産経新聞M・C
サービス産業生産性協議会による「結婚相手紹介サービス業認証制度に関するガイドライン」の公表について
結婚相手紹介サービス業認証制度に関する ガイドライン
経済産業省
結婚相手紹介サービス業認証制度 マル適マーク(CMSマーク)認証式
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