全国仲人連合会は日本中に支部がありますが、地域差というのは特にないと思います。
父が連合会を立ち上げた当初は、「京都は封建的で外部の人間をなかなか受け入れないから、京都での営業は無理だ」と言われ、へそ曲がりだった父は「それだったら、やってやる」、ということで京都にも支部を作りました。「同じ日本に住んでいるのであれば大丈夫。カルチャーギャッブなんかない」というのが父の持論だったのです。そして、父が言ったとおり、支部は全国に広がり、日本中どこもまったく同じシステムのもとで運営されています。
システムは全国一律ですが、会員さんの地域性というのは、多少なりともあるような気がします。関西から関東に移ってきた仲人さんの話を聞いてみると、引っ込み思案の男性は東京に多く、関西の男性はもう少しラフな感じで、連絡がつかなければ何回も電話をかけるといったしぶとさがあると言います。また、入会するときも、東京は仲人さんのちょっとした後押しが必要だったりしますが、大阪の場合は、成婚が決まった近所の人がクチコミで入会する会員さんも多かったそうです。確かに、近所にはこういったプライバシーは話さないという東京では、あまり例のない話です。
関西に昔、「学歴も良くないし、顔も良くない」とお父様が自慢(?)なさるほど、一般的に条件が良いとは言えない方がいらっしゃいました。でも、彼は交際に入ると週に一度と言わず、二度でも三度でも彼女に頻繁に連絡し、ついに結婚にこぎつけました。相手が不在でもめげずに何度でも連絡し、話し始めると相手の気をそらさない話術に長けていたことも成婚に結びついたようです。一般的にいえば、関西の方のほうが口達者な男性が多いと言えるかもしれません。
こうした地域における特徴は多少はあるものの、大きな違いは特にありません。だからこそ、地域を乗り越え、遠距離で決まっていく結婚がたくさんあるのだと思います。
口達者な男性は関西に多い?
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* 著者である、全国仲人連合会 代表 宮原祐輔氏の了解を得て掲載しています。