女性とは逆に、男性のなかには自分を過小評価する人もいます。「有名私立大学を卒業したといっても、通信ですから」とおっしゃる方もいますが、仕事を持ちながら通信で大学を卒業するまでの努力はたいへんなものです。そういうときには、仲人さんがそう言ってはげまし、「自信をもちなさい」と言うと、たいていの男性は見違えるほど顔が明るくなります。男性は。自分に自身を持てるようになると、顔つきがまったく変わり、声まで明るくなるものです。
高卒の男性ですが、見栄えがよく、省庁に勤めている方がいらっしゃいました。性格も素直でやさしくとても良い男性なのですが、ただひとつ、緊張するとどもってしまうという癖がありました。見栄えが良いので、女性からの中し込みは多いのですが、交際に入り、しばらく経つと断られてしまいます。それでもある女性とうまくいき、婚約直前というところまでいったのですが、彼女に「幼児のころにしゃべり始めるのが遅かったので、特殊学級に入っていた」という思い出話をしてしまい、それが原因で断られてしまいました。
今の彼を見ていながら、そんなことで断ってしまう女性も女性ですが、あまりに彼が落ち込んでいるのを見て、担当の仲人さんは「特訓」と称して、一ヶ月間、毎日用がなくても男性から自分に電話をかけさせました。そうして落ち着いて話せるようになったのを見計らって、その成果を確かめるために外でいっしょにお茶を飲み、おしゃべりしてみたところ、すっかりどもりが治っていたそうです。そこで今度は私どもの会のお見合いパーティに出席することをすすめてみました。仲人さんがその様子を見守っていたところ、三、四分ごとの女性とのおしゃべりも滞ることなく楽しそうに過ごし、結局その日、その方には六人もの女性からお見合いの申し込みがあったそうです。彼はそのうちの一人と順調に交際を続け、結婚しました。
毎日、彼に電話させてどもりを直してしまった仲人さんには頭が下がりますが、仕事が終わってから、連日電話をかけたその方の努力も大したものだと思います。結局、そうした努力が自信につながり、その方は自分で幸せをつかむことができたのです。
自信を持つことが、結婚につながる
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* 著者である、全国仲人連合会 代表 宮原祐輔氏の了解を得て掲載しています。